財務分析に関して、主な3つの指標を紹介します。
1 キャッシュ・サイクル
キャッシュ・サイクルとは、運転資金の余裕期間を表すもので、企業にとっては、短いほど資金に余裕があることになり、資金繰りも楽で、場合によっては運用等も図れるため有利とされています。
具体的には、オペレーティングサイクルと呼ばれる、棚卸資産回転期間と売掛債権回転期間の合計期間から、買入債務回転期間を控除した期間になります。
例えば、大手のスーパーマーケットを営む企業は、現金回収による売上高の割合が高く、売掛債権回収期間が極めて短くなることから、キャッシュ・サイクルがマイナスとなることもあり、そのマイナスの利点を生かした運用益が相当多いのではないかとの指摘もあります。
2 ROE(株主資本利益率)
ROEとは、利益獲得のために投下資本がいかに効率的に運用されたかを見る代表的な指標であり、算定式としては、「当期純利益÷株主資本」となります。
我が国のROEは、欧米のそれに比べて総じて低い状況といわれていますが、株主目線の重要指標として財務的には有用性が高いです。
3 FCF(フリーキャッシュフロー)
FCFとは、企業が「自由に使えるお金」のことです。
算定式としては、経営学的に様々な考え方や方法がありますが、一般的には、「税引後当期純利益+減価償却費-設備投資額±正味運転資本増減額」といわれています。
また、EVA(経済的付加価値)の指標ととともに、企業価値算定のために用いられることもあり、財務的に重要な指標といえます。